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2010年7月22日木曜日

イタリアで医師らがスト

やるんだよね、医師がストライキ。

我が国でも医療関連予算の削減なんて毎度のことだけど、さすがにストライキまではやらないよね。

せいぜいが反対署名や街頭宣伝、デモくらいかな。それもごく一部だよ。

手段の是非はともかく、こうまでして「医療関連予算の削減に反対する」というイタリアの医師達の強い意志表示と行動力には賛辞を贈る。

我が国の医師会ときたら・・。



イタリアで医師らがスト 医療予算の削減に反対、手術が先送りに

2010年7月21日 提供:共同通信社

 [ローマDPA=共同]イタリアの医師や医療補助者らは19日、政府が発表した医療関係予算の削減に反対して24時間ストライキを実施した。このため、同日に予定されていた約1万件の手術が先送りされた。

 ストには獣医師や医療事務担当者なども参加、議会前で座り込みを行う労働者もいたが、各地の救急センターは平常通り運営され、一部の病院では影響がなかったという。

2009年10月28日水曜日

新型インフルエンザのワクチン接種を受けた

今日の午後、とうとう新型インフルエンザのワクチン接種を受けた。

いまのところ何ともないが、やはり副作用が心配。

まあ、がんばって仕事をしろということなんでしょうけどね・・。



新型インフル:ワクチン接種調査 4人に入院相当の副作用


 厚生労働省は23日、医療従事者約2万人を対象にした新型インフルエンザワクチンの副作用調査で、4人に一時的な歩行困難など入院相当の異常が見られたと発表した。ワクチン接種との因果関係はいずれも不明で、全員回復している。季節性のワクチンと異なる副作用はないという。

 19日から医療従事者約100万人への接種が始まり、うち国立病院機構の67病院にいる2万2112人に副作用の報告を求めた。重い副作用とされたのは▽両足の筋肉痛による歩行困難▽嘔吐(おうと)▽脈拍の上昇▽発熱と意識低下--の4例。他にショック状態など軽い副作用報告が3例あった。2万人以外の医療従事者からも25例の報告があったが、すべて回復しているという。

 季節性のワクチンでは、毎年4000万~5000万人への接種で百数十例の副作用報告がある。今回の重い副作用の率は0.02%でそれより高いが、厚労省は「調査方法が違うので、新型のワクチンに副作用が起こりやすいとは言えない」としている。【清水健二】毎日jp

2009年10月22日木曜日

新型インフルエンザのワクチン接種開始

私の勤める職場では今日から新型インフルエンザのワクチン接種が始まった。

今週初めに一回目のワクチンが届いたが、事業所から出した希望数の約三分の一の数しか来なかった。二回目の配布は月末でやっぱり同じくらいしか来ないらしいので三分の一の職員は受けることができないってことらしい。

県内の他の病院や診療所も同じような状況で、私のところはこれでもまだ少し多めに届くみたい。

それで職種ごとに優先順位を決めて予約制にして実施することになった。

で、昨日から院内LANで予約することになっていて、今朝見たら今日と明日はすでに予約で全部埋まっていた。皆早いね!

私はなんとか空いていた来週の最終日に予約した。

パソコンに向かって予約していたら、隣にいた同僚が「これって、結局新しいワクチンの臨床試験を真っ先に受けるってことかねえ。一ヶ月くらいうちに重大な副作用がでるかもなあ。今回は止めとこうかなあ。」ですと。

そういわれればそういう側面もあるよなあと思ってしまったが、皆に受けるように勧めた手前自分がパスするわけにはいかず気が進まないけどまあ受けてみます。

ワクチンの副作用で寝込んだらシャレにもなりませんけどね。


2009年6月1日月曜日

改正薬事法:施行 コンビニで市販薬販売

薬剤師がいなくても9割方の市販薬がどこでも販売できるようになった。

便利と歓迎するお客の声を紹介するニュースが流れたが、ほんとにいいのかな。

研修を受けた「登録販売者」がいれば販売ができるって言うけど、一方で薬学部が6年制になり薬剤師が当面不足する事態に合わせての法改正なんてでき過ぎてないか。

またしても政・財・官の癒着の結果じゃないかと勘ぐってしまう。

薬を甘く見すぎていないか?

もっとも、今まで何度か「薬局」で風邪薬なんかを買ったけど説明も注意も受けた事ないなあ。今回は現状がそんなだから問題なしと見たのかも。

だからって低いほうに合わせる事はないんだが・・。


改正薬事法:施行 コンビニで市販薬 登録販売者が常駐し解禁

 改正薬事法が1日施行され、薬局・薬店以外でも、新設された「登録販売者」がいる店舗で、一般用医薬品(市販薬)の販売ができるようになった。

 コンビニ最大手のセブン-イレブンは同日午前3時から、東京都千代田区の麹町駅前店でテスト販売を開始した。1年以上の実務経験を経て都道府県の試験に合格した登録販売者4人が交代で24時間常駐し、風邪薬や胃腸薬、湿布薬など約100種類の市販薬を販売する。出勤前に頭痛薬を買っていく会社員や、子ども用の虫刺されの薬を購入する母子連れなどが見られた。

 市販薬は今月から、副作用の危険の高さの順に1~3類に区分され、販売業者には分類ごとの陳列や説明が義務付けられる。登録販売者がいる店舗で販売できるのは、全体の約9割を占める2、3類医薬品。一方、実質的な規制がなかったインターネットなどの通信販売は、3類以外の取り扱いが原則禁止される。【清水健二

毎日新聞 2009年6月1日 東京夕刊

2009年4月14日火曜日

ひどい話だよね 新「介護認定」基準マニュアル

昨年来、新規の方の認定が軽め軽めの介護度になるのでおかしいとは思っていた。それがさらにすすんだ形だよ。コレって絶対に許せないな。

いつも思うけど、厚労省って何考えてるんだろう。



新介護認定4月スタート 寝たきりでも「自立」
配信元:産経新聞

2009/03/30 10:55更新

■厚労省マニュアル 批判殺到、直前に修正

 介護保険の新しい要介護認定が4月から始まるのを目前に、市民団体などが厚生労働省の作成したマニュアルを「一般常識に反する」と批判、厚労省が修正する騒動になった。問題になったのは、訪問調査員が高齢者宅などで行う認定調査のマニュアル。修正版の公表が実施のわずか1週間前とあって、スタート時の混乱は必至だ。(寺田理恵、竹中文)

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介護保険、4月からこうなる サービス…
要介護認定の新基準を修正 舛添厚労相…
記事本文の続き                   ◇

 寝たきりでも「自立」。口から食べられず、静脈に栄養補給を受けていても「自立」。ちぐはぐな表記は、認定調査員が使うマニュアル「認定調査員テキスト2009」だ。要介護認定=別項=を行うためのもので、厚労省が作成した。

 しかし、公表されるやいなや、認定を行う専門職らから「軽度化を促すのでは」「自立になるとは思いもしなかった」など、疑問の声が上がり、利用者側からも批判が相次いだ。

 「認知症の人と家族の会」(本部・京都)は今月、「日本語の使い方として非常識。認定結果が実情とかけ離れることが危惧(きぐ)される」として、「移動・移乗」「食事摂取」「買い物」など8項目を挙げ、厚労省に改善を求めた。

 こうした事態を受け、厚労省は「利用する方への説明が足りず、誤解が生じてしまった」(鈴木康裕・老人保健課長)と、マニュアルの一部修正を決めた。

 批判された選択肢の「自立(介助なし)」の文言を、「介助されていない」に変更。

 さらに具体例の内容変更が3点。家族の会が示した項目では、「移動・移乗」で「自立(介助なし)」とした事例を、条件をつけ「全介助」に。「買い物」では、家族の手間などを加味し、「できる」を「一部介助」に。ほかに、「金銭の管理」の項目も修正した。

 鈴木課長は「『自立』の言葉には、利用者の抵抗感が強い。もともと、これらは、介助がどの程度必要かを聞く項目。自立しているかどうかといった『能力』を聞くわけではない」と修正の理由を説明する。

 しかし、実施1週間前の変更に、現場では戸惑いが広がる。神奈川県のある認定調査員は「4月までわずかな時点での変更で、現場は混乱している。説明会が行われても、参加する時間もないし、紙が1枚ぺらっと来るだけだと、周知されるのかも不安だ。解釈に違いが生じかねない」と不安を募らせる。

 認定調査をめぐっては、以前から「訪問調査員によって判断にばらつきがある」との指摘があった。

 例えば、食事摂取で「骨を取る・ほぐす」の行為は、目の前で行うか、厨房(ちゅうぼう)で行うかによって、判断がばらばらだった。厚労省としてはばらつきの解消をねらい、具体例を示したが、それが裏目に出た格好だ。

 家族の会の高見国生代表は「誤った日本語であると気付いていただいたのだと思う」と一定の評価をした上で、「8項目は例示にすぎない。私たちが求めるのは、実情を的確に反映した認定が行われること。4月以降、認定結果について会員へのアンケートを行うなどして、問題点を把握し、改善すべき所は要望していきたい」と話している。

                   ◇

 「認知症の人と家族の会」が例示した項目と修正部分

 (1)移動・移乗

 ・重度の寝たきり状態などで調査日から過去1週間その機会がまったくない場合は「自立(介助なし)」

 →体位交換の際に介助が行われていれば「全介助」に修正

 (2)食事摂取

 ・小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとるなど、食べやすくすることは介助に含まれないため「自立(介助なし)」

 ・中心静脈栄養(静脈に高カロリー輸液を補給する栄養法)のみで口からまったく食べていない場合は「自立(介助なし)」

 (3)口腔(こうくう)清潔・洗顔

 ・行う習慣がなく介助がされていない場合は「自立(介助なし)」

 (4)意思の伝達など認知機能

 ・ふだん、ほとんど答えられなくても、調査の際に答えられれば「できる」

 (5)自分の名前

 ・旧姓しか答えられなくても「できる」

 (6)買い物

 ・品物を選び、代金を支払っていれば、無駄な買い物をしていても「できる(介助なし)」

 →買い物の適切さについては問わないが、支払い不足、未払いなどがあり、家族などが返品、精算などの介助を行っているような場合は「一部介助」に修正

 (7)薬の内服

 ・たとえ飲む時間や量を間違えても、自分で飲んでいれば「自立(介助なし)」

 (8)物や衣類を壊す

 ・上着をファスナーのものに変えたため、ボタンをちぎらなくなった場合は「ない」

 *このほか「金銭の管理」の項目で、無駄な買い物、適切な財産管理など、金銭使用の適切さについては問わないとしていたが、所持金以上の契約を行った後で家族などが精算・契約解除などの介助をしている場合は「一部介助」に修正

                   ◇

【用語解説】要介護認定

 介護保険サービスの利用を希望する人の状態を、要支援1から要介護5までの7段階に区分する制度。訪問調査員が認定調査で把握した情報などをもとに、コンピューターによる1次判定で介護にかかる時間を推計し、介護認定審査会での2次判定を経て決定する。「非該当」と判定する場合もある。

2009年3月9日月曜日

ただいま当直中

夕方から本格的に雨が降り始めたせいか、患者さんはぽつりぽつりとしか受診しない。

実に3ヶ月ぶりの「当直」復帰なので、これくらいのペースがありがたい。

私の身体も目下のところは「治療中」で、完治というにはまだまだ道のりは遠い。

患者が「患者さん」を診ている状態なのでなんだかね・・。

「医療崩壊」とはよくいったもので、私の勤める病院でもこの数年で10名を越える医師が辞めていった。

残ったものは年に関係なく当直が回ってくるようになった。そうやって皆で支えないとまた誰かが辞めていく。

なんでこんなことになったのか、いろいろと思うことはあるけれど大きな流れに逆らうことは容易ではないと改めて思う。

あろうことか「国」が医療を潰しているんだものなあ。それこそ何年もかけて計画的に潰しにかかっているわけで、やり口は実に巧妙だよ。中小の病院は確実に淘汰しようとしている。

医学部の定員を増やすのも今のままではただのパフォーマンスとしか受け取れない。

早いとこ医療にお金と人を回さなければ、増えた彼らが現場に出るまでこの国の医療はもたないよ。


2009年2月23日月曜日

医師研修見直しに疑問あり

2004年度から現行の卒業後の医師研修制度に変わった。

当初の目的は専門科に偏らない幅広い知識と技術をもった総合的な診療のできる医師を育てようということだったはず。

厚労省はなかなかやるじゃないと思っていたのだが、今回の見直しの内容を見ると顕在化した「医療崩壊」を前に本来の趣旨を忘れてしまったらしい。

最近の厚労省は稚拙な施策をつぎつぎと出して現場を困らせるのはお得意だけれど、今回は医療の根幹にかかわることだけにもっとよく考えて欲しい。

単に医師の数だけ増やしても意味がない。進路を法律で縛るのも意味がない。

どうして、こんなことになったのかの分析をしっかりとしないから、稚拙な政策しか出てこない。

もう一度立ち止まって、国民が安心して医療を受けられるようにするにはどうすればいいのかをよく考えるべきだ。

机上の空論を振りかざすのはいい加減に止めて欲しい。




中日新聞 CHUNICHI WEB

【社説】
医師研修見直し 本末転倒の場当たり策
2009年2月23日

 厚生労働、文部科学両省がまとめた二〇一〇年度からの医師臨床研修制度の見直し策は、当面の医師不足対策にすり替えられ、本末転倒だ。国民がどんな医師を求めているかを忘れてはならない。
 〇四年度から始まった研修制度では国家試験合格後の二年間に内科、外科、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科、救急の七診療科の研修を必修としている。
 見直し策では必修を一年目に内科(六カ月以上)、救急(三カ月以上)、二年目に地域医療研修(一カ月以上)にとどめ、それ以外は二診療科を選択する「選択必修」になる。
 現行通りに各科を回ることも研修病院の判断でできるが、特定の診療科だけの研修でも済む。この結果、制度上の研修期間は二年間だが、実質的には一年以上を専門医として研修に特化できる。
 見直しの背景にあるのは、出身大学に残らない研修医が増え、大学が関連病院へ交代で派遣する医師を確保できなくなったことだ。これが医師不足を深刻化させたとの不満は地方の大学ほど強い。
 研修期間を短縮し、さらに都道府県ごとに研修医の定員枠を設けて大都市への集中を減らし、大学に残る医師を増やそうというのが制度見直しの大きな狙いだ。
 地方の医師不足を考えれば理解できるが、研修制度ができたのは、これからの医師には専門に偏らず救急、地域医療、いくつもの疾患を持つ高齢者の増加などにも対応できる幅広い臨床能力を身につけてほしいという国民の要望からだった。研修医の生活保障に公費を投入するのもこのためだ。
 にもかかわらず研修期間を実質的に短縮するのは、制度を設けた本来の趣旨に反する。
 今回の見直しで、出身大学に残る研修医が増え、地域医療の水準が上がるかどうかも疑問だ。
 大学病院の研修医が減ったのは、待遇が悪いうえに魅力ある研修プログラムに欠けているとの指摘がある。今回の見直しで大学に残る研修医が多少増えても、その後専門医としての腕を磨く環境になければ二年後には別の医療機関に移動してしまうだろう。
 医師不足や地域偏在、診療科による偏在の是正は、研修制度の手直しで解消する問題ではない。
 国民一人当たりの医師数を計画的に増やすとともに、卒前教育を含めた医師養成のあり方、医学界全体で診療科ごとに必要な専門医数の算定や資格要件を明確にするなど総合的に取り組むべきだ。

2008年9月4日木曜日

本当に人が良いんですね、大野病院の加藤克彦先生は

私だったら、こんな県や病院の仕打ちに対しては絶対に許せないけどな。

99.9%、復職なんてありえん。

加藤先生はそんなことより、産婦人科医師として復職する事が地域の妊婦さんや患者さんに対するご自身の責任だと考えておられるのかもしれない。

そうだとすると私のような凡人には到底できない事です。そもそも比較するのも失礼かもしれませんが・・。

これからは、こんな悲しい事に二度と出合ってほしくありません。

先生のご健勝を心からお祈りいたします。



医師減給処分取り消しへ=報告書見直しも検討−大野病院帝王切開死で福島県
9月4日12時45分配信 時事通信

 福島県立大野病院で2004年、帝王切開手術を受けた女性=当時(29)=が大量出血して死亡した事故で、業務上過失致死などの罪に問われた加藤克彦医師(40)の無罪が確定、4日付で復職したことを受け、県病院局は同日、加藤医師の減給処分を取り消す方針を固めた。近く開かれる県病院局懲戒審査会で正式決定する。復職後の処遇については本人と話し合って決めるという。
 県の事故調査委員会が05年3月、加藤医師の医療ミスを認める報告書をまとめたことを受け、県は同年6月、加藤医師を減給1カ月の懲戒処分としていた。
 県病院局はこの報告書についても、見直しを含めた検討を行うとしている。

2008年8月29日金曜日

大野病院事件、地検が控訴断念 産科医の無罪確定へ

ひとまず、ほっとしました。

加藤先生、長い間お疲れさまでした。

一審判決で
>「裁判所の判断を覆すのは困難と判断した」
というなら、何故起訴したのかって思いたくなります。

県警や検察も問題だけれど、賠償保険を使うために「ミスがあったと判断した」福島県当局の判断が事の発端とも思いますね。

県は医師を犠牲にしてお金を出し渋ったという事ですよね。届ければ警察は動くよね、県警だものね。

まあ、どう見てもひどい話ですね。



2008年8月29日 16時41分
共同通信
大野病院事件、地検が控訴断念 産科医の無罪確定へ

 福島県大熊町の県立大野病院で04年、帝王切開で出産した女性が手術中に死亡した事件で、業務上過失致死などの罪に問われた産婦人科医加藤克彦医師(40)を無罪とした福島地裁判決について、福島地検は29日、控訴断念を決めた。無罪が確定する。医療界の猛反発を招いた異例の事件は1審で終結することになった。福島地検の村上満男次席検事は「裁判所の判断を覆すのは困難と判断した」と説明

2008年8月28日木曜日

<大野病院事件>検察、控訴断念へ最終調整

もういいよ。じゅうぶんだよ。

控訴して、今以上の良い結果が得られるとは思わない。

刑事事件の裁判にしてしまえば、結局悪いのは医者だと決めつけてその通りに断罪しないと遺族は納得しない。しかしそのような判決では今度は医療者が納得しない。

結局のところ遺族も医療者も、ともに傷つけあうだけですよ。そうして同じ悲劇は繰り返される。

ご遺族が希望されている「裁判で事実経過を明らかにする」という方向でなく、こうした争いが生じる医療のあり方についての分析と問題解決へ向けての建設的な提案と話し合いが必要だと思う。

刑事裁判では検察側は犯人を作り上げねばならないのでこのケースでは最初から無理がある。(原因探しと犯人探しとは別に考えてほしい)

今、議論されている段階だが有効に機能する第三者機関が設置されて適切に対処ができるようにぜひ国を挙げて取り組んで頂きたい。



<大野病院事件>検察、控訴断念へ最終調整 毎日JP

 福島県大熊町の県立大野病院で04年、帝王切開手術中に患者の女性(当時29歳)が死亡した医療事故で、福島地裁(鈴木信行裁判長)が業務上過失致死などの罪に問われた産婦人科医、加藤克彦医師(40)に無罪判決(求刑・禁固1年、罰金10万円)を出したことについて、検察当局が控訴を断念する方向で最終調整に入ったことが27日分かった。

 今月20日の福島地裁の判決は、大量出血の予見可能性など検察側主張を一部認めたものの、最大の争点だった「胎盤剥離(はくり)を途中で中止すべきだったか」については「中止して子宮摘出手術などに移行することが当時の標準的な医療水準と認められず、剥離の継続が注意義務に反することにはならない」と加藤医師の過失を否定した。さらに、「剥離を中止しない場合の危険性を具体的に明らかにしなければならないが、検察官は臨床症例を提示していない」と検察側の立証の不備も指摘した。

 福島地検が上級庁と協議を進めているが、女性の症状の「癒着胎盤」は症例が極めて少なく、剥離を中断した臨床例の提示も困難なことなどから、慎重に検討しているとみられる。今回の事件を巡っては、全国の医療関係者が「医師の裁量に捜査機関が介入している」と反発していた。

2008年8月20日水曜日

判決を支持!「大野病院医療事件」に無罪判決

今回、大野病院で治療の甲斐なく亡くなられた患者さんのご冥福を心からお祈りいたします。
また、ご遺族の皆様の心の平穏が一日でも早く訪れますよう願っています。


今回の「大野病院医療事件」の最大の問題点は「正当な医療行為による結果、残念ながら死亡した」にもかかわらず警察が動き医療事故扱いし、起訴した事にあると思います。判決からもわかるように、このようなケースでは警察の介入は必要ありませんでした。

私はその意味で今回の無罪判決を当然と思い、支持します。

この「事件」によって日本中の医師は「普段通り仕事をしていても、いつ自分が犯罪者扱いされ、起訴されるかるかわからない」という不安を抱いたと思います。そしてこの事件以降、実際にお産を取りやめる医師、医療機関が相次いだ事も確かです。

私自身も外科をしているので、決して人事とは思えませんでした。だからといって仕事を辞めようとか嫌だとは思いませんでしたが、あまり無理はしないでおこうという気にはさせられました。全体としてみれば、医師としてのモチベーションは下がったでしょうね。

もともと「医療」というのは不確実なもので、「絶対」という事がありません。自信たっぷりにおっしゃる方もいるかもしれませんが、実際のところは「おおむねこういう診断」で、治療すれば「このくらいの結果」が期待されるといった程度だと思います。私たち医師は当然ながら診療には全力であたりますが、診断も治療結果も常に100%ではないのです。そのことを十分に納得して頂く事が必要だと思います。

そのためにもいわゆる説明と同意(インフォームドコンセント)が決定的に重要ですが、診断や治療方法、期待される結果、起こりうる合併症などの説明に1時間や2時間かけたところで全くの知識のないかただと本当に理解し納得できるかというと難しいのではないでしょうか。

たとえば、2時間近く手術を含めた治療の説明をしても最後には「よくわからないのでお任せします」と言われる事も少なくありません。
では、4〜5時間ならといわれてもこちらにそれだけの時間がありません。(ときには複数回にわけてそのくらいの時間を費やす事はありますが)
ですので、それを補う意味で説明・同意書という形で文書として取り交わすという事を行っているのが現実です。


まして、緊急の治療などでは詳しい説明は事後になる事も十分にありうる状況です。それでも、結果に100%を求められたら医師はやっていけません。

事故絡みだけではないですが、医師が「これではやっていけない」と感じたらどうなるか。
この数年間を振り返ってみれば、多くの医師はその場から立ち去ります。そうして地域の医療が崩壊していきます。診療科が閉鎖され、病医院が無くなります。

それは、結局は地域住民の医療を受ける権利を奪う事にも繋がります。

ではどうすればいいのか。

医師を一方的にたたくのでなく、何故そうなったのか、そうならないためにどうしたらいいのかを今議論中の「第三者機関」の調査をもとに医師を始めとする職員はもちろん患者、家族が参加して考え改善していく事とが必要ではないでしょうか。
そうしてその結果と教訓を情報共有して普遍化するという事も必要です。

犯人探し、罰則主義では医療は良くならず全く逆効果です。

くどいようですが、「診療行為にかかわる、起こりうる合併症と考えられるもの」に関してはたとえそれが患者死亡という最悪の結果となったとしても刑事事件としての扱いはしてほしくないし、してはならないと思います。

その点で、警察による過剰介入を招いている医師法21条について、判決では
{医師法21条については「診療中の患者が、その病気によって死亡したような場合は、届け出の要件を欠き、今回は該当しない」と指摘した。}
ことも評価したいと思います。




<大野病院医療事件>帝王切開の医師に無罪判決 福島地裁
           毎日JP

 福島県大熊町の県立大野病院で04年、帝王切開手術中に患者の女性(当時29歳)が死亡した事件で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた同病院の産婦人科医(休職中)、加藤克彦被告(40)に対し、福島地裁は20日、無罪(求刑・禁固1年、罰金10万円)を言い渡した。鈴木信行裁判長は、最大の争点だった胎盤剥離(はくり)を途中で中止し子宮摘出手術などへ移行すべきだったかについて「標準的な医療水準に照らせば、剥離を中止する義務はなかった」と加藤医師の判断の正当性を認め、検察側の主張を退けた。

 加藤医師は04年12月17日、帝王切開手術中、はがせば大量出血する恐れのある「癒着胎盤」と認識しながら子宮摘出手術などに移行せず、クーパー(手術用はさみ)で胎盤をはがして女性を失血死させ、医師法が規定する24時間以内の警察署への異状死体の届け出をしなかったとして起訴された。

 争点の胎盤剥離について、判決は大量出血の予見可能性は認めたものの、「剥離を中止して子宮摘出手術などに移行することが、当時の医学的水準とは認められない」と判断した。医師法21条については「診療中の患者が、その病気によって死亡したような場合は、届け出の要件を欠き、今回は該当しない」と指摘した。

 医療行為を巡り医師が逮捕、起訴された異例の事件で、日本医学会や日本産科婦人科学会など全国の医療団体が「結果責任だけで犯罪行為とし、医療に介入している」と抗議声明を出すなど、論議を呼んだ。公判では、検察、被告側双方の鑑定医や手術に立ち会った同病院の医師、看護師ら計11人が証言に立っていた。【松本惇】

 【ことば】癒着胎盤 一般に分娩(ぶんべん)後、胎盤は自然に子宮壁からはがれるが、胎盤の絨毛(じゅうもう)が子宮筋層に入り、胎盤の一部または全部が子宮壁に癒着して胎盤がはがれにくくなる疾患。発生率は数千~1万例に1例と極めて低い。

 ◇県警刑事総務課長「捜査を尽くした」

 福島県警刑事総務課の佐々木賢課長は「県警としては捜査を尽くしたが、コメントは差し控えたい。細かい争点については(裁判所の判断が)まだ分からないので何とも言えない。県警は医師に注意義務があるとして検察へ送ったが裁判所はそう認定しなかった」と話した。

 ◇産科婦人科学会理事長「救命医療の確立目指す」

 吉村泰典・日本産科婦人科学会理事長は「被告が行った医療の水準は高く、医療過誤と言うべきものではない。癒着胎盤は極めてまれな疾患であり、最善の治療に関する学術的な議論は現在も続いている段階だ。学会は、今回のような重篤な症例も救命できる医療の確立を目指し、今後も診療体制の整備を進める。医療現場の混乱を一日も早く収束するため、検察が控訴しないことを強く要請する」との声明を出した。

2008年8月9日土曜日

「医学部定員枠、500人増へ」は賛成!

「医学部定員枠、500人増へ」は賛成!

遅まきながらやっとここまで来たかという気はしますが、まだまだ実現への道のりは遠いかな。

とりあえず、入学枠を増やして入学させたとする。しかし、大学もそれに見合った教員の確保は容易ではない。

そもそもすでに大学自体が医師不足になっていて、派遣先から引き上げて何とか持たせているのが現状なんだからそこをどうするのか。まずは予算措置が必要ですよね。

国立大学にしても、もともと独立法人化させて経営を切り放して毎年交付金(補助金)を定率(2%だったかな)でカットしてきている。国はお金をださないので自分で稼いで運営しなさいという事ですよ。

これではほんとに必要なポストも十分に確保できないし、賃金を始めとして過密労働など労働条件が悪すぎて大学に残って教官をめざそうという様な医学生はほとんどいなくなってしまった。

じっさいのところ、今までにかなりの大学の教官が辞めて公立や民間の病院へ転出してしまっているのですよ。診療科にもよるけど層が薄くなって十分な教育・診療レベルを維持する事も難しくなってきている。

ある大学の麻酔科では、下の教室員が一度に辞めていっとき教授一人しかいなくなってしまった事があるくらいです。

基礎医学系ももっと厳しくて、知り合いのある教授に聞いた話ではある教室の教授自身が「辞めたい」とおっしゃっているそうです。でも、辞めるとその教室・講座そのものが消滅するので今のところは辞めるに辞められないでいるそうです。


で、大学から外へ目を移してみると医師不足による公立病院の統廃合や、経営困難が進行して廃止される病院の話などであふれ返っています。「地域の医療が崩壊」してきているのですね、すでに。

こうした病院は、その地域の人々に必要な医療を提供すると同時に医師の養成に大きな役割を果たしてきていたわけです。管理職や部長クラスは別として、主には大学からのローテーションで回ってきていて、臨床医としての経験を積む貴重になっていたと思います。医療崩壊の進行で、今はそれが機能しなくなってきていると思います。

これも、国の低医療費政策による弊害だと思います。毎年2200億円も社会保障費を削り続けて、病院の採算が取れなくなるのは当たり前。給料はカットされるし、展望が見えなくなって医師も辞めていくのではどう見てもやって行けませんよ。

まだまだあるけど、要は定員を増やすのは良い事だけど必要なお金を大学に支出する事と医療費の抑制政策をやめて病院経営が健全になるように国が応援する事ですね。

掛け声だけでなく実現のための人とお金と両方いりますよ。文科省だけでなく財務省もご理解ください。

財政上のつじつま合わせばかり気にしてたら、「国の財政上は健全化したけど国民生活が破綻した」なんて事になりますよ。それこそなんのための財政再建やら・・。





>医学部定員枠、500人増へ 医師不足問題で文科省

 深刻化する医師不足問題に対応するため、文部科学省は5日、来年度の大学医学部の総定員枠について、本年度より約500人増員し、過去最大だった1982年度と同じ8280人程度とすることを正式発表した。

 定員増に必要な実習施設の整備費を国が補助するなど、各大学の取り組みを促す方策も示した。

 急な増員には大学側が対応できないとの懸念もあるが、文科省は「緊急の課題なので、来年度から定員枠をすべて埋めたい。各大学も、かつての定員に戻すのが狙いなので、何とか受け入れてもらえるのではないか」と期待している。

 文科省は今後、9月22日を期限に各大学から増員数について意向を聴取。医師が不足している地域の医療機関との連携など、各大学に提出を求める地域医療への貢献策を検討した上で、年末までに増員を認めるかどうか判断する。

2008/08/05 19:45 【共同通信】

2008年6月17日火曜日

医師数抑制方針を撤回 厚労相「勤務医は倍必要」 福田首相と一致

今回の決定は大歓迎!

そうなんですよ。ようやくわかっていただいた様でうれしい限りです。

現状認識が一致しないと(というより現実を直視しないと)解決は無理ですもん。

医療制度をきちんと整える事は今後の老齢化社会に向かってとても大事な事だと思います。

後期高齢者医療制度も増え続ける高齢者医療費をただ削ると言う事でなく、国民のコンセンサスを得ながら
持続可能な良い医療制度として設計する必要がある。

ひとを大切にするという発想が根底にしっかりと有りさえすれば、そんなにとんでもない政策にはならないし、国民や医療者の反発を買う事もないと思います。誰もが安心して老後を迎える事のできる医療制度、社会福祉制度であってほしい。

そのための財源が・・と言うのなら、国家予算の中で突出した公共投資や防衛費、米軍への思いやり予算など無駄な支出を極力削る事、大企業への適正な税負担も課してほしい。そのうえでどうしても必要なら相応の負担も受け入れられるんじゃないでしょうか。

ただし、年金月額15000円の方から天引きはなしですよ。年額80万円だってなしですよ。生活保護基準以下なら天引きなしであたりまえじゃないかと思いますよ。

税金を納めても、公務員の飲み食いや接待、天下り官僚のお手当てに消えていくのでは納得はできません。そこはしっかりと自浄作用できれいにして、払った分だけ国民に還元されるなら税金も払う気になるというものです。

財源問題もそういう政府の真摯な取り組みが国民に実感できてこそ、解決できるのではないですか。




医師数抑制方針を撤回 厚労相「勤務医は倍必要」 福田首相と一致

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2008年6月17日】
 福田康夫首相と舛添要一厚生労働相は17日午前、首相官邸で会談し、地域で深刻な医師不足の解消に向け、医師数抑制のため大学医学部の定員削減を決めた1997年の閣議決定を事実上撤回し、医師の増員などの対策を検討していく方針で一致した。

 この後、記者会見した舛添氏は「閣議決定を見直す方向で調整することで、首相の了解を得た」と明言した。

 舛添氏はまた「(政府は従来)医師数は十分だ、偏在が問題だと言ってきたが、現実はそうではない。週80-90時間の医師の勤務を普通の労働時間に戻すだけで、勤務医は倍必要だ」として、医師の増員を目指す考えを表明した。

 政府の社会保障費抑制方針との関連については「改革や効率化の努力はしていくが、それでも足りなければ新たな財源を用意しなければいけない」と述べ、増税も視野に議論していくべきだとの認識を示した。

 政府は医師数抑制のため82年以降、医学部の定数削減に取り組み、97年6月の閣議決定で「引き続き医学部定員の削減に取り組む」と抑制方針を確認。厚労省、文部科学省などが2006年、一部の大学医学部での定員増を認めた際も、削減方針をあらためて確認していた。

 ただ、地域医療への影響を懸念する与野党から見直しを求める声が強まっていた。

2008年6月14日土曜日

医療死亡事故:24時間内、届け出義務 違反に懲役刑も 安全調査委設置大綱案

 もういいかげんにしなさいよ!

 医師を始め、医療従事者は劣悪な労働環境で一所懸命にがんばってこの国の医療の安全を支えているのにこれはないでしょう。

 事実関係を明らかにして、再発防止に努める事にはなんら異議はないし届ける事もいとわない。でも、届けるかどうかその基準はあっても実際には難しい事が多い。

 お役人が勝手にこれは届けるべきだったとして、処分される可能性も十二分にあるじゃないですか。

 現場はやってられないですよ。こんな感覚では医療崩壊がまた一気に進むよ。



医療死亡事故:24時間内、届け出義務 違反に懲役刑も 安全調査委設置大綱案

記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

【2008年6月13日】
医療死亡事故:24時間内、届け出義務 命令違反に懲役刑も??安全調査委設置大綱案

 厚生労働省は13日、医療死亡事故の死因を究明する第三者機関「医療安全調査委員会」について、医療機関に24時間以内の届け出義務と違反した場合の罰則を盛り込んだ設置法案の大綱案を公表した。今国会への法案提出は見送り、臨時国会での成立を目指す。医療界の一部が「医師の刑事訴追に利用される」と反発しているのを受け、条文に「調査は犯罪捜査のためではない」と明記するとした。

 医療安全調査委は、警察に先行して医療ミスが疑われる死亡事故を調査・分析する行政機関で、法施行から3年以内の運用開始を見込む。委員会は厚労省に設置する前提だったが、医療界から反対論も出たため、大綱案では所管省庁を特定しなかった。

 大綱案は、調査委への届け出範囲を(1)医療ミスに起因する死亡(2)医療に起因する予期しない死亡--とし、学術団体が主体となって基準を作ると規定。届け出義務に違反した場合、ただちに罰則は科さず行政処分とするが、是正命令に従わなければ6月以下の懲役か30万円以下の罰金を科すとした。

 刑事処分については、調査委が警察へ通報する対象を「故意や隠ぺい、標準的な医療から著しく逸脱した行為」と定義した。医師法の改正により警察への届け出義務を免除することで、捜査当局の介入が限定的になるよう配慮した。【清水健二】

2008年5月26日月曜日

間違えちゃったね、厚労省サン。「療養病床削減を断念 厚労省が方針転換」

厚労省サン、財務省の言いなりに毎年2200億円の医療費を削減するためになりふり構わず働いたんだよね。

実際の医療現場がどうなっているのかを知りもしないでね。

机の上だけで計算して「こうすれば削減できるじゃん!」

今までずっとそうだよ。あなた達は現場を知ろうとしない。

財務省は国民の方を見ていない。アメリカや財界の方ばっかり向いている。

財政諮問会議が政策提言をするんだから当然なんだけど、国民の利益より財政界の利益優先だよね。

後期高齢者医療制度と同じで机の上だけで数字をはじいているから、国民の痛みがわからない。

なんのための政治なのかなあ。誰のための政治なのかなあ。あなた達のやってることって・・。

「公僕」なんて、もはや「死語」だよね。

でもね、この件で一番悪いのは方向性を決めた小泉サンなんだよ。

言いたい放題、やりたい放題やっておいて責任取らない、問われないってありですか?





療養病床削減を断念 厚労省が方針転換 都道府県需要調査で「25万床維持必要」

記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社

【2008年5月24日】
療養病床:削減を断念 厚労省が方針転換--都道府県需要調査で「25万床維持必要」

 長期入院する慢性病の高齢者向け施設である医療型「療養病床」(25万床)を11年度末までに4割減らす計画について、厚生労働省は削減を断念し、現状維持する方針に転換した。都道府県ごとに需要を調査した結果、25万床前後の確保が必要と判断した。厚労省は療養病床削減により医療給付費を3000億円削減する方針だったが、今回の計画断念で高齢者の医療費抑制政策全般にも影響を与えることは必至だ。【吉田啓志】

 政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。

 しかし病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、お年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた。

 このため厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外し実情調査。必要とする療養病床数を積み上げたところ、当初計画を7万床上回る約22万床に達することが判明した。一方で削減対象から外したリハビリ病棟は少なくともいまの1・5倍、3万床程度は必要になるとみられている。需要数を合わせると現状と同じ25万床前後となり削減計画の見直しに追い込まれた。

……………………………………………………………………………

 ■ことば

 ◇療養病床

 慢性病の高齢者向け長期入院施設。ピーク時の06年2月には医療保険が適用される医療型(25万床)、介護保険適用の介護型(13万床)の計38万床あった。双方の患者や施設の実態に違いはないと指摘される。厚労省は、医療の必要性がない社会的入院の受け皿となっているとみて、医療費抑制のため削減する考えだった。

2008年4月17日木曜日

今からで良いのかい自民党さん?後期高齢者医療制度について勉強会/自民党社会保障制度調査会

後期高齢者医療制度による保険証の発行と、年金などからの天引きが始まって医療の現場や75歳以上のお年寄りよりのいる世帯では大混乱。

年金が月額15000円以上あれば天引きといって支給前に引かれるんだよ。あるお年寄りは20000円の年金の中から8000円も引かれたんだって!これでは生きていけないってさ。

この問題に関して毎日いろんなニュースが飛び交っているし、福田首相はこうした混乱をもたらした政府の責任者として「周知が遅れた結果、混乱を招いた」としておわびしている。

この法案はもともとは今では悪名高きあの小泉内閣の時代、2006年6月に成立した医療制度改革関連法で決定されたものですよ。なんかどさくさにまぎれて成立させて、その後は実施までに結構長い期間があったにもかかわらず十分に国民に周知してこなかったのですよ。

こんなに国民に(とくにお年寄り)痛みをあたえる法律なのだから、その必要性については十分に議論をされて国会で承認されたものと思っていた。

ところが、最近のニュースを見ると「後期高齢者医療制度について勉強会を開催  自民党社会保障制度調査会」などというのがでてるじゃないの。

自民と公明が法案出して自分たちで成立させたんでしょ。それを、今から勉強会だ?

おまけに <後期高齢者医療制度>自民に「見直し」議連 17日発足 なんてのもあるんだよ!

あんまりというかほとんど検討も考えもしなくてイケイケで法案を成立させたものの、実施段階の不手際もあって世論が大きく動いたものだからあわてて対応しているってかんじだね。

自民党議員の皆さんは法律の中身もその結果がどうなるのかも知りもしないでこんな大変な法律を国会で承認してしまったわけだ!

公明党は平和・福祉の党だとか、「100年安心の年金制度」だとか盛んに言いつつも結果は自民と一緒になって、イラク派兵に、消えた年金問題、段々と減っていく年金支給、はたまた医療崩壊とも言われる医療改悪を実現した政党なんだよね。

振り返ってみれば今までも同じようなことを一杯していたけれど、この国の人々はおとなしくて騒いだりしなかったんだよね。
 

後期高齢者医療制度はひとまず廃止!

もっと勉強して、どうしても必要なら「お年寄りに歓迎される制度」として再度法案を出しなさいよ。
本当の「長寿医療制度」をね。





厚生政策情報センター
http://www.wic-net.com/search/search.cgi?mode=search&linktype=index&issue=806&No=9

後期高齢者医療制度について勉強会を開催  自民党社会保障制度調査会
資料公表日 2008-04-15 自由民主党

カテゴリ :医療保険
社会保障制度調査会 医療委員会・高齢者特別委員会合同会議(4/15)《自民党》
 自由民主党が4月15日に開催した社会保障制度調査会の医療委員会と高齢者特別委員会の合同会議で配布された資料。この日は、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)について勉強会が行われた。
 資料には、(1)後期高齢者医療制度の保険料と国保保険料との比較(P8参照)(2)年金からの保険料の支払いについて(P13参照)(3)主な報道内容と事実関係(P20〜P21参照)—などがまとめられている。



<後期高齢者医療制度>自民に「見直し」議連 17日発足
4月16日2時31分配信 毎日新聞

 後期高齢者(長寿)医療制度の混乱拡大を受け、自民党中堅議員らによる議員連盟「後期高齢者医療制度を考える会」(仮称)が17日発足する。6人の呼びかけ人のうち平沢勝栄衆院議員は15日、「(混乱の原因は)説明不足では済まない。議連で制度をしっかりと見直さないといけない」と述べた。

 新制度は、新しい保険証の未着や徴収額を間違えるミスなどが続出し、自治体の窓口に問い合わせが殺到している。議連の設立趣意書は「情報不足もあって国民は政府・与党への不信感を募らせている」と指摘し、「制度設計や国民への周知のあり方などを早急に再検討する必要がある」としている。

 15日の自民党社会保障制度調査会でも、新制度について出席者から「これでは地元に帰れない」などの声が上がっており、議連にどの程度の参加者があるかが注目されている。【近藤大介】



秋田のニュース:社説  さきがけon The Web
社説:天引きスタート 後顧の憂いなき制度か


制度が複雑で、自分の保険料がいくらになるかも分からない—。こんな不安が渦巻く中で今月スタートした後期高齢者医療制度で、保険料を年金から天引きする「特別徴収」が15日、始まった

2008年4月4日金曜日

厚労省:医療事故調、「やむを得ぬ死」除外 届け出範囲を限定--最終試案

 問題がここまで大きくなったのは医師法第21条の解釈をめぐって、平成6年に日本法医学会が「異状死」に対する「異常な解釈」をしたことに始まる。簡単に言えば「はっきりとした病気による死亡以外の死亡は全て異状死とする」ので警察に届けなければいけないとなる。だから、手術などの危険を伴う正当な医療行為であっても術中や術後に大出血を起こして死亡すれば当然のごとく届けなければならなくなった。その結果の一つが大野病院の前置胎盤剥離による出血死事件だよ。

>
手術で癒着した組織をはがす際に大出血を起こす--などのケースは「やむを得ず発生した合併症」とみなし、届け出の必要はない。

などというが、それなら大野事件のケースは届けなくても良いし「やむを得ず発生した合併症」なんだから逮捕されたり、禁固一年の求刑を受けたりするのはいかがなものか。今からでも遅くはないので介入したらどうですか。それで検察が起訴を取り下げれば信じてあげますよ。
 厚労省の言う第三者機関を作ったところで、遺族が警察に訴えれば今までと同じで警察が直接逮捕しに来るよ。異状死の解釈が警察庁・検察庁と厚生労働省との間でどんなふうに折り合ったのかしれないけれど、ここをはっきりさせてもらわないとどんな制度を作っても結局はおんなじ結果が待っている。
 異状死の解釈を再定義して、故意でない限り、重大な過失がない限り警察は入り込めない事故調査委員会を作ってください。日本だけですよ、こんなことしてるのは。このまま押し通すのなら、そのうち医師なんて職業は日本からなくなってしまうよ。
参考までに臨床の主だった12学会が協同で声明を出していますのでごらんください。
{診療に関連した「異状死」について}



http://mainichi.jp/select/science/news/20080404ddm001010029000c.html
厚生労働省は3日、医療死亡事故の原因を究明する第三者機関として10年度設置を目指している「医療安全調査委員会(仮称)」の最終試案を公表した。調査対象とする事故の範囲は「医療過誤か、合理的説明がつかない死亡」に限定し、死亡の危険を伴う正当な医療行為による事故を除外した。医療機関は調査委への通報が義務化される代わりに、医師法改正により警察への通報義務が不要になる。厚労省は試案について一般からの意見を募り、法案を今国会にも提出する。

 調査委は、国土交通省に置かれた航空・鉄道事故調査委員会の医療版で、医療関係者や法律家らで構成する。刑事・民事裁判に委ねられていた真相解明を専門家が担い、再発防止に役立てる狙いがある。国は訴訟リスクが減ることで、医師不足対策の効果もあると期待している。

 届け出の範囲は、医療関係者らに「過失がない死亡事故まで調査対象になると医療が萎縮(いしゅく)する」との声が強いのを受け、対象を絞った。厚労省の例示では▽内視鏡検査で消化管に穴を開けてしまう▽手術で癒着した組織をはがす際に大出血を起こす--などのケースは「やむを得ず発生した合併症」とみなし、届け出の必要はない。厚労省は年間2000~3000件が調査対象になると推計する。

 医療機関からの届け出や、遺族からの調査依頼があると、調査委は医療や法律家のほか、患者側代表として有識者も入る調査チームを事案ごとに設置。立ち入り検査の権限を与える。【清水健二】

毎日新聞 2008年4月4日 東京朝刊

2008年4月3日木曜日

<国立がんセンター>麻酔医が相次ぎ退職 手術にも支障

医師不足もとうとうここまで来たかって感じ。10数年前に私もがんセンターで研修し、土屋先生にも教えていただいたことがあるだけに余計にショック。確かに当時から待遇は良くなかったけど、みんな勉強したい、力をつけたい、研究したいと燃えていたような気がする。忙しさも半端でなかったが、それでも全国から医師が続々と集まってきたものだったがなあ・・。



 >国立がんセンター中央病院(東京都中央区、土屋了介院長、病床数600)で、10人いた常勤麻酔医のうち5人が昨年末から先月までに相次いで退職し、1日の手術件数が2割減る異常事態になった。より待遇の良い病院への転籍などが退職理由で、「がん制圧のための中核機関」を理念に掲げる日本のがん治療の“総本山”に、全国的な医師不足が波及した形だ。【須田桃子】

4月3日2時35分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080403-00000015-mai-soci

がんセンター中央病院は常勤医師約150人、1日当たりの外来患者約1000人と、国内でも最大級のがん治療専門施設。これまでは、1日当たり約20件の外科手術をしてきたが、術中の麻酔管理を担当する麻酔科医が半減したことで、3月末から1日約15件しかできなくなった。

 手術までの待ち時間も今後、長引くことが予想されるため、特に急ぐ必要のある病状の患者に対しては、都内や患者の自宅周辺の病院の紹介を始めた。院内にも、麻酔医の不足を知らせるお知らせを掲示し、患者に理解を求めている。

 関連学会や各地の病院を通じ、麻酔医確保を図っているが、「すぐには解決のめどがついていない」(土屋院長)のが実情だ。

 土屋院長によると、退職の主な理由は、待遇の良い民間病院や都立・県立病院への転籍だ。同病院の職員は国家公務員で、30代の中堅医師の場合、給与は年間700〜800万円程度。一方、都立や県立病院は1000万円台、民間病院なら1000万円半ばから数千万円になるという。

 日本麻酔科学会が05年にまとめた提言によると、日本では約4000施設で全身麻酔が実施されているが、同学会の会員が常勤でいる病院は約半分にとどまる。手術中の患者の麻酔管理に加え、患者の痛みを除く「ペインクリニック」や「緩和ケア」などに麻酔科医の担当領域が広がっており、全国的な需要も高まっている。

 がんセンター中央病院も、「緩和ケア」研修を09年度から全研修医に義務付けることを決めたばかりだった。

 土屋院長は「中央病院は、医師が勉強する環境は十分整っているが給料は並以下で、施設の努力で確保するには限界がある。医師の絶対数を増やす政策が不可欠だ」と話す。

 乳がん患者団体「ブーゲンビリア」の内田絵子理事長は「国立がんセンターは全国の患者の精神的なよりどころでもあり、医師不足で手術件数が減ることは、全国の患者にとって不安を駆り立てられる話だ。麻酔医不足は、緩和ケアの充実にも悪影響を及ぼす」と懸念する。

 ▽医師不足問題に詳しい本田宏・医療制度研究会副理事長の話 がん患者にとって最後のとりでとも言える国立がんセンターにまで医師不足の波が押し寄せた。大変憂えるべき状況で、医療崩壊が日本に起こりつつあるというサインだ。

2008年3月30日日曜日

総コレステロール値が低めの人は高めの人に比べて、死亡率が高くなる

総コレステロール値が低めの人は高めの人に比べて、死亡率が高くなることが、富山大学の浜崎智仁教授(脂質栄養学)らの研究でわかった。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080329-OYT8T00240.htm

つづき
一般市民の健康状態を追跡した5件の研究結果(計17万人)を詳しく分析し、28日発表した。「コレステロールが高いと危険」という“健康常識”を覆す結果で、これだけ大規模な調査で示されたのは初めて。

 調査によると、血液100ミリ・リットル中の総コレステロール値が160以上〜200ミリ・グラム未満を基準とすると、それより総コレステロール値が低い人の死亡率が男性で1・6倍、女性で1・4倍になることが判明。200ミリ・グラム以上の人では死亡率は変わらなかった。

 研究チームによれば、別の研究でコレステロールのうち、動脈硬化を促して「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロール値についても、低い人で死亡率が高い傾向だったという。

 日本人は魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取が多いためコレステロールが高くても動脈硬化になりにくく、心筋梗塞(こうそく)の発生が抑えられるとみられ、逆に細胞膜の材料となるコレステロールが少ないと、免疫細胞が活発に働かないらしく、がんや肺炎などが増す傾向があるという。

(2008年3月29日 読売新聞)

 これって、いままでの考え方というか指導内容と全く異なる結果だね。
昨年からは総コレステロールは「男性は200mg未満に、女性は220mg未満にしなさい」と言われていたんだよ。160mg以下ではやっぱり栄養が足りてないと感じるけど、200mgを超えていても死亡率に差がないというのは驚きです。
 しかも悪玉とさんざに言われてきたLDLコレステロールも低すぎたらダメって言うし。
日本と欧米との人種的な違いなのか、食生活の違いなのかもう少し詳しい解析が欲しいけど、いったいどのくらい高いと危ないのかも知りたいね。魚をあまり食べない日本人も結構いると思うんだけど、どのくらい食べてたら良いのかも知りたいよね。
 4月から始まるメタボ検診の基準とその効果が問われているというか、疑問視されているくらいだけど厚労省はどういう判断をするんでしょう。あと日本内科学会と糖尿病学会でしたっけか、 早めに結論をお願いします。どんな治療や指導をしたら良いのかわからなくなってきたよ。

2008年3月23日日曜日

献体希望の増加が医学の進歩に役立つ?

■死生観に変化、献体急増21万6千人…登録制限も  
(読売新聞 - 03月22日 14:34)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080322-00000034-yom-soci

 私は30数年前にある方の献体で解剖学の勉強をさせていただきました。当時は献体自体が少なくて、私の大学では医学生8人に一人の献体でした。医師になる過程でとても貴重な経験と勉強をさせていただいたと感謝しています。
 しかし、いわゆる死因の究明を目的とした死後の病理解剖とは異なって医学の進歩に直接的に役立つわけではないと思います。あくまで医学生の解剖学の実習に役立つと言うだけです。この経験を生かして世の中のためになる医師に育ってくれればその方のご遺志に沿うことができると思いますが・・。
 医学生の全員がそんな思いで解剖実習に取り組んでいるかといえば、はなはだ疑問です。そもそも医師になるということがどんなことなのかをわからずに高校での成績が良いからといって医学部に入ってくる、あるいは進学指導の先生に勧められて医学部に入ってくるという昨今の医学部志望の状況では望むべくもないことなのかもしれません。
 医学部志望の方はぜひ受験前に病院見学なり一日医師体験などに参加して自分の進もうとしている医師になるということがどんなことなのかをもっと突き詰めて考えて欲しい。医学部に入学した人は改めて医師になることがどういう事なのかを改めて問い直して欲しい。
 そうすることで献体してくださる方の善意に少しでも報いることができるのではないでしょうか。


日本篤志献体協会という団体があって、献体をする側の手記とその献体で実習をされた医学生の感想が綴られたサイトを見つけましたのでよろしかったらどうぞ。
解剖学への招待 -私と献体 解剖学習を終えて-