2008年3月4日火曜日

ロシアもなんだな、これでは先進の資本主義国家も真っ青だよ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008030402092469.html

双頭支配のロシア<上> 利権構築 二人三脚
2008年3月4日 東京新聞 朝刊
 「四百億ドル(約四兆千二百億円)」-。
 発展途上国の国家予算にも匹敵するこの数字は、プーチン大統領が八年間の在任中に築いた資産総額といわれる。
 「内訳は、ロシア三位の石油会社スルグトネフテガスの株式37%が中心で、多くの有力企業株を保有している。大統領は欧州一の富豪といえる」
 資産を調査した国家戦略研究所のベルコフスキー所長はそう断言する。
 同所長によると、大統領とスルグトネフテガス社との関係は一九九〇年代初め、大統領が出身地サンクトペテルブルク市で貿易や民営化を担当していた時期に始まった。マフィアに乗っ取られていた同社の製油所を組織から取り戻し、友人の実業家に引き渡したのがきっかけで経営への影響力を強めたという。
 当時、法律家としてプーチン氏の補佐を務めていたのが、現在のメドベージェフ第一副首相だ。
 二人をよく知る地元紙記者は「プーチンは貿易や民営化で市に利益をもたらす実業家のような存在だった。法的に微妙なこともやってきたが、それを合法化するのがメドベージェフの役割。経営者と顧問弁護士のような関係だった」と話す。
 二〇〇〇年に大統領に就任したことで、プーチン氏の「経営」は市から国家に拡大する。
 大統領は忠誠をつくした人物に民営化の利権を満遍なく分配してきた。実際、大統領を支える要人はいずれも大企業の幹部を兼任している。
 問題は利権を得た要人の多くが大統領と同じ旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者であることだ。高級官僚の78%が治安機関関係者ともいわれる。メドベージェフ氏が後継者に選ばれた鍵もこの点に潜んでいる。
 ロシア国際化研究所のデリャギン所長は「旧KGB関係者が後継者になった場合、彼らの中での利権均衡が崩れ、内部抗争が激化する。それで、旧KGBと無縁のメドベージェフ氏が選ばれた」と解説する。
 また、大統領も含め、要人の資産の多くは名義を変え欧米の金融ファンドなどで秘密裏に管理・運用されている。反欧米姿勢の強い旧KGB関係者がトップに立てば欧米のロシア警戒感が高まり、不透明な資産が摘発される恐れがある。
 ベルコフスキー所長は「法律家でリベラルなイメージが強いメドベージェフ氏なら、欧米も大統領らの資産に手を出さないとの判断もあっただろう」と付け加える。
 しかし、大統領が主導してきた垂直型の利権構造は、ロシア経済をむしばんできた。調査機関インデムによると、官僚が受け取るワイロは年間三千億ドル(約三十三兆円)を超えるという。プーチン政権発足時の十倍。国家予算の二倍以上だ。
 インデムのサタロフ所長はこう警告する。
 「原油高による経済成長の恩恵は政権上層部や官僚が吸い取り、底辺には行き渡らない。貧富の差は拡大する一方だ。新体制は、プーチン政権が自身らの富と引き換えに内在化させてきたひずみと直面することになる」 (モスクワ・稲熊均)
  ◇    ◇
 大統領選でメドベージェフ氏が当選し、ロシアでは「メドベージェフ大統領=プーチン首相」の新体制がスタートする。「双頭政権」の課題と行方を探る。
蜜月17年 強い信頼
 メドベージェフ次期大統領(42)が小学校一年生のときに書いた将来の夢は「法律家」。担任教師は「そんな難しい夢を書いた子は初めて。少し子ども離れしていた」と振り返る。
 教師夫婦の一人っ子として育てられた。一九九〇年、レニングラード大法学部の大学院修了後、恩師だったサプチャク同市市長に法律顧問として招かれる。当時、経済や貿易部門の顧問を務めていたのが同大学OBのプーチン氏で、以来、二人は「十七年間の信頼関係を築いてきた」という。
 九三年から市内の外資系パルプ会社の顧問弁護士も兼務していたが、敵対的買収を防ぐため、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン氏を通じ、治安機関の情報を用いたといわれる。
 プーチン政権発足後は政府の要職を歴任。「大統領に最も忠実な側近」との評価を得ていた。
 ただ、大統領への忠誠心が強い半面、十三歳の年齢差から政治感覚には隔たりがあるとも指摘されている。学生時代をペレストロイカ(改革)の最中で過ごし、欧米志向を強めた。大統領と同じKGB出身者が政権の要職を占める中、経歴上、治安機関との縁がなかったことから、政治手法もリベラルとされる。
 一方、兼務するガスプロム会長として、ウクライナなどに対するガス供給停止に踏み切り、極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」でも日本の商社などから権益を奪い取った。元側近は「リベラルというより実利主義者」と評す。
 英ロックバンド、ディープ・パープルの大ファン。小中学校の同級生だったスベトラーナさんとの間に息子一人がいる。  (モスクワ・稲熊均)

 
 結局、利権を求めて国のトップになったのはアメリカもロシアも変わりないということですね。プーチンはチェチェン紛争などでは弾圧者のイメージだけど、今のロシアの上流〜中流階級にとってはプーチン様々なんですよね。資本主義的繁栄を謳歌しているものね。中国もおんなじだったよ。共産主義では平等は保てたかもしれないけど、民衆の平均レベルは低かった。潤っていたのは党幹部と官僚だけだよ。とても共産主義といえるものじゃなかったよ。似非共産主義。言葉の定義は大切です。旧ソビエトも東ドイツも中国も決して本当の意味での「共産主義国家」だったことはないからね。日本と同じ、官僚と政治家が美味しい目をしていただけなんですよ。

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