2008年3月3日月曜日

道路特定財源の使い道 「官のビジネス」

巨額の税食らう官 閑古鳥駐車場に1000億円
2008年3月3日 07時26分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008030390072655.html

 東京都八王子市。ビルや店舗が並ぶ国道16号の地下に、巨大な空間が広がる。全長約百二十メートル、鉄製の三段棚の間をリフトが自在に動き回り、乗用車をおもちゃのように軽々と並べていく。
 「すべてコンピューター制御。格納庫は二十六台の監視カメラがあり、人間は立ち入りもできないです」。最新鋭のハイテク駐車場の性能に、所長(61)は胸を張った。
 国土交通省が二〇〇三年に開業させた「八日町夢街道パーキング」。二百台収容できるが、本体の建設に六十二億円かかった。一台分が三千百万円の計算だ。
 しかし、〇六年度の入庫は一日平均でわずか百六十台ほど。料金は二十分で百円。一時間未満の利用が多く、年間収入は約三千二百万円と一日九万円にも満たない。
 「建設費を料金で賄うならどうなりますか」。思わずそう聞くと、所長は「返済期間は無限大、私はボランティアでやらないと」と冗談めかして答えた。
 近くで駐車場を経営する男性(67)は「あきれてものが言えん。役人は懐が痛まないから造ったのだろうが、民間はまねできないすごい施設だ。うちなんか従業員も雇えない苦しい経営なのに…」と顔をしかめた。
 こうした採算度外視の駐車場を可能にしたのが道路特定財源だ。国交省は路上駐車対策などを名目に、一九九〇年代から東京、名古屋、静岡など十四カ所で、似たような地下駐車場を次々建設。自治体負担を含め、約一千億円が投じられた。
 管理運営をしているのが九三年設立の財団法人「駐車場整備推進機構」(東京都千代田区)。国と協定を結んで各施設の機械設備の整備を引き受け、“官のビジネス”を一体で展開してきた。
 三人の歴代理事長(非常勤)は藤井治芳・元日本道路公団総裁ら国交省の大物OBばかり。専務理事ら常勤役員は同省OBが三人、警察庁OBが一人で、四人の年収総額は約六千五百万円。職員五十八人中、十八人が国交省出身という典型的な天下り法人だ。
 「夢街道パーキング」の場合、運営スタッフは十二人いるが、機構の職員は国交省OBの所長と警視庁OBの副所長だけ。現場で安全確認などに従事する十人は、委託した民間会社の従業員というのが実態だ。
 二〇〇六年度、十四施設では八王子市以外でも大曽根国道駐車場(名古屋市、百九十六台分)、四日市地下駐車場(三重県四日市市、二百三台分)で、一日の収入がそれぞれ十一万円前後しかないなど低迷が目立つ。
 ところが、駐車場機構の事業全体は約三千二百万円の黒字だった。自ら整備した機械設備分(計約四十二億円)は借入金の返済を続けているが、道路財源から巨費が注がれた駐車場本体の賃料はタダだからだ。
 建設に狂奔した国交省道路局は「将来は余剰金を公益的な事業に還元できる」と説明する。しかし、国会で「民間でできるのでは?」と突っ込まれた冬柴鉄三大臣は「私もそう思う」と認めた。
 「国交省の官僚たちのエサになっている」。千葉大の新藤宗幸教授(行政学)は道路財源が流れ込む特別会計についてそう指摘する。「特別会計は従来、あまり国会審議の対象になってこなかった。政治は今こそ、支出の徹底した情報公開を求め、追及すべきだ」
    ◇
 道路特定財源をめぐる与野党の激しい論戦をきっかけに、役人の天下りや無駄遣いが相次いで露見している。国民は長年にわたり、本来より大幅に高い暫定税率に耐えてきたが、道路官僚はその税率がもたらす巨額の財源を巧みに利用し、権益を拡大してきた。特別会計というベールに包まれた“道路天国”の実態を追った。
 <駐車場整備推進機構> 駐車場整備に関する調査研究などを目的に設立された。駐車場事業は全国14カ所で約2500台分のスペースがあり、2006年度の利用台数は約186万台。事業収入は約12億7000万円だった。現在の理事長は旧日本道路公団総裁を務めた鈴木道雄・元建設事務次官。
(東京新聞)

 
 おかしいことがいくらでもでてくるね。基本は同じ仕組みで政治家と官僚と財界が一体となって国民から取り上げたお金を自分たちの懐に入れているんだね。国民は所得税に消費税やら年金やらいろんな仕組みで重い負担にあえいでいると言うのにね。出したお金の使い道を国民がもっとチェックできる仕組みがいりそうだよ。こんなことがまかり通っているんだから彼らに任せておけないものね。

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