8月に原爆が二発落ちたあとはすぐさま終戦に。
原爆が落される前に降伏していればよかったのに。
もっといえば、沖縄戦なぞしないうちに降伏していればよかったのに・・。
私の父親は‘95年に74歳で亡くなったが、終戦の時は兵隊として満州にいてソ連軍の捕虜となった。
幸いにもシベリア送りにはならず、中央アジアのタシケントというところへ送られた。
とはいっても捕虜として重労働に駆り出されたのは言うまでもない。
結構過酷な扱いを受けたと時折話してくれた。
思い起こせば私に話してくれた従軍中のエピソードはいくつか覚えているのだが、不思議と戦闘のことは一切話してはくれなかった。
軍のトラックを無免許で運転(あたりまえか)して壊してしまったとか、タシケントに抑留中にロシア語を覚えて最後は通訳的な仕事もしていたとか、収容所内での武勇伝(?)などは懐かしげに話していた。
何でも砲兵隊にいたとかで直接的には敵兵を殺す場面には遭遇しなかったとも聞いた。でも子どもには言えなかっただけでそれなりのつらい体験はしてきたのかもしれない。
私が大人になったときには私自身が忙しくて彼の戦争体験を同じ年ごろの人間として聞くことはなかった。
今になって聞いておけばよかったと思ったり、もしも彼が残虐な行為を直接的にしていたなら
やっぱりそんなことは聞かないほうがよかったと思うのか・・。
しかし志願兵として数年間をあの日本軍で過ごした経験を当事者からもっと聞いておくべきだったと今になって改めて思う。
あの悲惨な戦争を風化させないためにもきちんと聞いて、次の世代へ語り継ぐべきだったよなあ。
天国の父さん、どう思います?